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「ゴルフ大全」(マイケル・ホッブス編)

第3章 偉大なる男たち

 

陽気で謙虚なチャンピオン パット・ワード・トーマス(1961年) 〜(5)

 

「スウィングとは、ボールを打つのに必要なこと以外、

何もしない単純動作を指す言葉だ」

 

彼はオーストラリアの新聞にコラムを書いたが、その担当記者によると、

自分が言いたいことについて見事なまでに正確、簡潔、流暢であり、

まるで優れた短編作家のように思えたそうだ。

 

およそプロの中で、このような才能を持った人はいないだろう。

 

私は、彼の試合の多くを観戦したが、

自分のプレーが少しだけ狂ったとしても、絶対に取り乱さない男だった。

 

冷静、沈着という言葉は彼のために用意されたようなものである。

 

1954年の終わり、セントアンドリュースで開催されたマッチプレー選手権の

決勝戦に進出した彼は、ジョン・ファロンと熾烈な戦いを演じた。

 

予想ではピーター・トムソンの圧勝とされていたが、

ファロンは見事なショットを続けてエキストラ・ホールまでもつれ込んだ。

 

トムソンのパットは惜しいところで入らず、

その瞬間、すべての幸運がトムソンからファロンに引っ越したように思えた。

 

彼に出来ることといったら、

ただじっと立って、相手の勝利のパッティングを見守るしかない。

 

ファロンは、それほど長くない距離を慎重に観察していた。

 

私はトムソンの様子を黙って眺めていたが、

彼はパターにもたれかかってギャラリーの様子をぐるりと眺め回すと、

何人かの知っている顔と遭遇したのだろう、彼が楽しそうに笑ったのである。

 

一瞬、私は自分の目を疑った。

 

相手のパットが入った瞬間、大きなタイトルと

途方もない金額が消えてしまうというのに、彼は心から楽しそうだった。

 

やがて打ったファロンのボールはふちで止まり、

2人はふたたび「スウィルカーン・ホール」に戻って、

プレーオフに臨むことになったが、私はもう後を追わなかった。

 

これ以上観戦する必要もないと感じたからである。

あの笑顔を見た時、彼が勝つと私には分かっていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

見てみたかったですね。

 

 


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  • 2018.12.19 Wednesday
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